パステルアートのワークショップ時の持ち物の準備中に、どうモノの取捨選択をするか、その考え方をお話します。特に「減らし方」が分からない方にオススメです。
ワークショップに持っていく物、絞り切れない!
参加者としてワークショップを楽しんでいるときには意識しませんが、ワークショップの準備品というのは予想以上に沢山あるものです。
おそらく毎回自宅開催という方は稀でしょうから、当然会場まで荷物をまとめて搬入する必要があります。
パステル・紙・フィキサチフなど、絶対に必要な物は悩む余地はないですが、必要かどうか分からないけどあった方がいいのかな?という物を入れ始めると荷物は膨れ上がって、現実問題、移動に支障をきたしてしまうでしょう。

うーん、アレを入れるならコレも入れたい!ソレも必要かも知れないし…あ~ん、でもカバンに入りきらない!!いっそカバンを追加しちゃう?
そこで必要になってくるのは取捨選択です。
物理的な量の上限を決めてみましょう
ワークショップの会場までの移動は、公共交通機関なのか、自家用車なのか、はたまた歩きなのか…。方法にも色々ありますね。まずは、その移動手段で実際に持てる荷物のサイズ=容量を決めてしまいましょう。
実際に経験している方はお判りでしょうが、ワークショップというのは例え短時間であっても体力の消耗が激しいです。また、パステルアートの場合、極端に資材が減ることはありませんから、帰り道に荷物が軽くなるということもありません。
疲れた体であっても、行きと同じ距離を帰れるように、体力と相談して無理のない量を見極めて持っていきましょう。

確かに…。張り切っていっぱい荷造りして、行きは大丈夫でも帰り道にゼイゼイしちゃったことあります。疲労困憊で翌日まで響きました…。

毎回グロッキーになるようだと、講師も続けるのがつらいでしょ。継続できる状況づくりも自分の責任と思って調整してみて。 私の場合は「小ぶりのトランクに入るだけ」って決めちゃってます。
提供する内容は「これだけ!」と決めてしまう
理想をいえばアレもコレも用意して、参加者様に色々な提案をしたい、楽しんで頂きたい…すべてのものづくり系ワークショップ講師の純粋な願いでしょう。
ですが、会場を借りたワークショップは、いわば本店のレストランから出店した屋台のようなもの。出来ることには限りがあると割り切って、提供できる選択肢の上限を決めてしまいましょう。

や…屋台…。なるほど。

そそ。キッチンカーにないツールで提供できないものは、そもそもお品書きに書かないこと。
無いものは言葉でカバー!
少数精鋭の物を選んで、残念ながらその場では提供できないことがあったとしても、口で伝えられることは言葉を惜しむ必要はありません。
例えば…

「おうちにマニキュアいっぱいあるっておっしゃってましたよね。ここに後からラメ入りのマニキュアをピンポイントで塗るとキレイなんですよ!」

「気にされていた端の汚れですが、おうちのクラフトパンチで色紙を星型に抜いて貼って、さりげなく隠してしまえばいいですよ~」
など、言葉だけのご案内でも帰ってからの楽しみに繋がりますし、後々の様子にも気を配る姿勢は必ず参加者様の満足感にプラスになるはずです。
物品が足りないところは、言葉でカバーしましょう。
完成形も「屋台基準」で設定することが大切
また、モチーフの完成形を過剰に手が込んだものにしないことも大切です。
参加者様は講師の態度に敏感です。

本当は アレやコレがあればもっと良くなるんだけど…
なんて雰囲気を醸し出しては、作品の完成を喜ぶお気持ちに水を差してしまいます。
シンプルな道具でえがいても「これで完成」と言える形に作りこんでおけば、そんなことにはなりません。
また、講師が自信を持って

「このモチーフのポイントは、ずばり色選びです!」
「背景のグラデーションにこだわってやってみましょう」
などと宣言すれば、参加者様は「そこが今回の作品づくりで集中するポイントなんだ」と納得されるものです。
そこにない道具の話をしてもいたずらに満足度を下げてしまうだけです。50メートル走の時に200メートル走のようなお話をしても的外れです。
実際問題持っていける道具の量を見極めてから、今回はどれぐらいが「完成形」なのか、モチーフの調整をしてから臨みましょう。

なるほど~。まず持っていける量を見極めて、その道具で提供できる内容をシッカリ決めておけばいいんですね。屋台なら、出来ることが限定的でも当たり前!屋台でも美味しいメニューを考えるように、モチーフを考えてみます。
番外編:忘れ物をしてしまった時は
余談ですが、もしも当日会場で「あ!あれが無かった…」となった場合…。
商業施設なら、同じようなものを売っているお店に走りましょう。マルシェなど他業種の出店があれば、周囲の出店者にヘルプ!と言ってみましょう。
それでも無いものはしょうがない、落ち着いて、出来る範囲で最大限のパフォーマンスをしてください。講師がフワフワしていては参加者様が楽しめませんので、心は慌てていても態度はどっしりと。
音楽を演奏する人は、本番でミスがあっても何事もなかったかのように続けますよね。ミスのあった箇所以外は最善のものを提供するのが大切です。最後には「うん!素敵にできましたね」と笑顔で参加者様を送り出して、後から家で死ぬほど反省しましょう(笑)

笑顔と、楽しんでくださった参加者様への感謝は、講師の標準装備。丸裸になってもこれだけは死守しましょう。

笑顔と感謝なら誰にも負けません!
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